年68万円浮かせた、その先へ。貯める力の次は「増やす力」

朝の光が差し込む散歩道の先に、芽吹いたばかりの若木が立つ水彩風景
「家計は見直せた。でも、貯めたお金をこのまま銀行に置いておくだけでいいのかな?」
「投資が大事なのは分かる。でも、なんだか怖い。何から始めればいいの?」

もし以前の私と同じように悩んでいるなら、この記事が小さな道しるべになるかもしれません。家計見直しで年約68万円を生み出したわが家が、もうひとつの柱として続けてきた「増やす力」の全体像を、等身大でお話しします。

私には、毎朝のウォーキングをしながら、お金や暮らしのことをぼんやり考える時間があります。先日もそうして歩いていて、ふと立ち止まって振り返ったことがありました。

家計を本気で見直して、固定費から年間約68万円を浮かせることができた。これはわが家にとって、大きな一歩でした。

でも、家計を整えることは、それ自体がゴールではありません。浮かせたお金をどう活かすかまで含めて、はじめて意味があると思っています。

わが家は、この浮いたお金を、すべて「増やす力」=投資に回してきました。

実をいうと、投資そのものは家計見直しよりも前、旧つみたてNISAの月33,333円から始めました。ただ、貯める力で家計を整えたことで、その投資を一気に加速させることができたのです。

この記事は、これから書いていく「増やす力」シリーズの入口です。投資を始めた当初から、わが家が投資とどう向き合ってきたのか、その背骨にある考え方を、まず最初にお伝えします。

同じように「お金と人生に悩む一人」として。一緒に歩いていく感覚で、ゆっくり書いていきます。


なぜ「貯める」だけでは、お金は増えないのか

家計を整えることは、本当に大切です。私自身、固定費の見直しから始めて、その効果を身をもって実感しました。

でも、ひとつだけ考えておきたいことがあります。それは、預金だけで将来の目標をまかなえるかは、金利や物価、必要になる時期によって変わるということです。

銀行に預けても、お金はほぼ眠ったまま

普通預金の金利は金融機関や時期によって異なります。預金は、日常生活に必要なお金や近いうちに使うお金を守るうえで大切な置き場所です。

一方で、世の中の物価は少しずつ上がっています。これがインフレです。

たとえば、毎年2%ずつ物価が上がっていくと、いまの100万円の価値は、20年後にはおよそ67万円分まで目減りしてしまう計算になります。お金を銀行に置いておくだけでは、額面は減らなくても、「買える量」は静かに減っていくのです。

「貯める」と「増やす」は、役割が違う

私は、お金には2つの役割があると考えています。

  • 貯める力:支出を整えて、お金を「守る・残す」力
  • 増やす力:残したお金に働いてもらい、「育てる」力

家計見直しで生み出した年68万円は、いわば「種もみ」です。食べてしまえばそれで終わり。でも、畑に蒔けば、時間をかけて実りになる。

貯める力で生み出したお金を、増やす力で育てる。 この2つがつながって初めて、資産はゆっくりと前に進み始めます。

削って浮かせたお金を、そのまま置いておく。それは、種もみを蒔かずに袋のまま抱えているようなものかもしれません。そう思えてから、投資は「怖いもの」から「育てるもの」へと、少しずつ姿を変えていきました。


わが家が旧つみたてNISAで、こわごわ投資を始めた話

偉そうに書いていますが、私も最初から投資に詳しかったわけではありません。むしろ、怖くて、ためらいだらけのスタートでした。

きっかけは、子どもの教育費と、将来への不安

きっかけは、ふたつ。子どもの教育費が少しずつかかり始め、「これは本気で準備しないと」と感じたこと。そして、漠然とした将来へのお金の不安でした。

「この先、教育費はどれくらい膨らむんだろう」「老後の生活費は足りるんだろうか」── お金のことを、真剣に考えるようになりました。貯金だけでこの先を乗り切れる自信は、正直ありませんでした。

「減ったらどうしよう」── 不安だらけだった当時

とはいえ、投資はやっぱり怖かった。当時、私の頭の中はこんな不安でいっぱいでした。

  • 投資したお金が減ったら、どうしよう
  • この銘柄で、本当に良かったのかな
  • ちゃんと分散できているんだろうか
  • もし暴落が来たら、どうすればいいんだ
  • そもそも、いくら投資すればいいんだろう

恥ずかしい話、不安になって毎日のように運用実績をアプリでチェックしていた時期もありました。少し下がっただけで胸がざわつく。今思えば、典型的な「投資を始めたばかりの人」の姿そのものでした。

月33,333円から。少額で始められたことが救いだった

それでも一歩を踏み出せたのは、当時のつみたてNISAという制度のおかげでした。

つみたてNISAの非課税枠は、当時年間40万円が上限。月にすると33,333円です。この「上限がある」という制約が、結果的にちょうどよかった。

いきなり大金を投じるのは怖い。でも、月3万円ちょっとなら、なんとか踏み出せる。少額からコツコツ始められたことが、投資初心者だった私の背中を押してくれました。

その後、世帯でもう1口座を開設し、2口座で年間80万円(月66,666円)を積み立てるように。少しずつですが、「お金に働いてもらう」感覚が、生活の一部になっていきました。

大きく始めなくていい。怖いなら、怖くない金額から。これが、私が投資で一番伝えたいことのひとつです。

「貯める力」と「増やす力」は、つながっている

投資を続けるうちに、私はあることに気づきました。

それは、「もっと投資に回したいのに、家計に余裕がない」という壁です。

家計を見直したら、投資に回せるお金が増えた

増額直前は、NISAの月66,666円に、米国高配当ETFを少し加えて投資していました。それでも「本当はもっと増やしたい」という気持ちがありました。でも、無理に投資額を増やせば、生活が苦しくなる。

そこで本気で取り組んだのが、家計の見直し(貯める力)でした。スマホ、インターネット、生命保険、医療保険、車の任意保険、サブスク。固定費をひとつずつ見直して、最終的に年約68万円を生み出すことができました。

この固定費見直しで浮いた年約68万円は、生活防衛資金や近いうちに使うお金と分けたうえで、全額を新NISAの投資に回しました。我慢して捻出したお金ではなく、「無駄を削っただけ」のお金。だからこそ、無理のない範囲で投資に振り向けられたのです。

家計に余力ができた後、月30万円へ

新NISAが始まったあとも、すぐに月30万円へ増やしたわけではありません。仕事の収入が増え、家計に余力ができてから、無理がないかをあらためて確認し、毎月の投資額を30万円へ設定変更しました。

月10万円ほどから月30万円へ。この大きなジャンプを可能にしたのは、間違いなく貯める力で整えた家計の土台でした。

家計見直しの全体像は、貯める力の総まとめ記事に、そのスタート地点となった考え方は月30万円を投資に回すために本気で向き合った話にまとめています。よければ、こちらから読んでみてください。


わが家が「増やす力」で大切にしている5つの考え方

投資を続ける中で、たくさんの本も読みました。そのなかで、わが家がずっと大切にしている考え方が5つあります。難しいテクニックではなく、どれも「当たり前」のことばかりです。

1長期 ── 時間を味方につける

投資は、短期間で一発当てるものではありません。10年、20年という長い時間をかけて、複利の力でゆっくり育てるもの。

時間を味方につければ、途中の上げ下げは、いずれ小さな波になります。私が一喜一憂しなくなったのは、この「長期」という前提を腹落ちさせてからでした。

2分散 ── ひとつのカゴに卵を盛らない

特定の会社や国に集中させると、そこがコケたときのダメージが大きい。だから、世界中の株式に広く分散するのが基本です。

わが家の投資の中心は、全世界の株式に連動するインデックスファンド。これ1本で、世界中の何千という企業にまとめて分散投資ができます。

3低コスト ── 手数料は確実なマイナス

リターンは不確実ですが、手数料は確実に発生するマイナスです。だからこそ、運用コスト(信託報酬)の低い商品を選ぶことが大切。

「長期・分散・低コスト」── この3つは、山崎元さんの『ほったらかし投資術』で繰り返し語られている言葉で、私の投資の背骨になっています。

4ほったらかし(ガチホールド)── 売らずに持ち続ける

一度買ったら、あとは売らずに持ち続ける。これがなかなか難しい。下がると売りたくなるのが人間です。

でも、下落時に感情だけで売買すると、当初決めた資産配分を崩すことがあります。日々の値動きから距離を置き、あらかじめ決めた範囲で積み立てを続ける方法は、忙しい生活のなかでも続けやすい方法でした。

5余剰資金で ── 生活を削ってまでやらない

そして何より大切なのが、投資は余剰資金でやること。

当面の生活費や、近いうちに使う予定のお金まで投資に回してしまうと、いざというときに困ります。だからこそ、まず貯める力で家計を整え、生活防衛資金を確保したうえで、余ったお金を投資に回す。順番が大事なのです。

長期・分散・低コスト・ほったらかし・余剰資金。地味だけれど、これがわが家の「増やす力」のすべてです。

家族と歩む「増やす力」

お金の話は、家族と共有してこそだと思っています。投資も、例外ではありません。

投資額を増やす前に、家計で確認したこと

世帯として投資額を増やす前に、なぜ投資をするのか、投資に回すお金をどこから出すのか、相場が下がったときも家計は大丈夫なのかを確認しました。

教育資金も見据え、家計から無理なく出せる範囲で追加投資をすることにしました。金額だけを先に決めるのではなく、目的と資金源、下落時の不安を共有できたことが、世帯で投資を続ける土台になっています。


「増やす力」シリーズの歩き方

この記事を入口に、これから「増やす力」を、大きく6つのステップに分けて、じっくり掘り下げていきます。わが家の実体験と、読んできた本から学んだことを、ひとつずつ等身大でお伝えする予定です。

  • Step1:考え方と制度の土台 ── なぜインデックスなのか/新NISAの仕組みをやさしく
  • Step2:口座を開く ── 楽天証券・SBI証券、わが家の使い分け
  • Step3:何を買うか ── インデックス投資/全世界株かS&P500か
  • Step4:いくら・どう積み立てるか ── 無理のない積立額/クレカ積立・ポイント投資
  • Step5:続ける力 ── 暴落を乗り越えるメンタル/含み損との向き合い方
  • Step6:応用と出口 ── iDeCo/教育費/コア・サテライト戦略/取り崩し/SIDE FIREの必要資金

途中には、私の投資観を形づくってくれた書籍の書評も挟んでいきます。『敗者のゲーム』『ウォール街のランダム・ウォーカー』『投資の大原則』『ほったらかし投資術』『マネーの公理』など、今だからこそ響いた本ばかりです。

記事を公開するたびに、このページからリンクをつないでいきます。ブックマークしておいていただけると、迷子になりません。


まとめ:焦らなくていい、まず一歩から

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

お金の「増やす力」と聞くと、なんだか難しそう、怖そう、と感じるかもしれません。投資を始めた当初の私も、まさにそうでした。

でも、振り返ってみると、やってきたことはとてもシンプルです。

家計を整えて(貯める力)、浮いたお金を、長期・分散・低コストでコツコツ育てる(増やす力)。

特別な才能も、難しいテクニックも要りません。必要なのは、怖くない金額から、まず一歩を踏み出すこと。そして、淡々と続けること。

「40代からじゃ遅いかな」と感じることもあるかもしれません。まずは家計と生活防衛資金を確認し、減っても生活に影響しない金額から検討するのが、わが家にとっての出発点でした。

このシリーズが、あなたの最初の一歩の、小さな後押しになればうれしいです。

🌱 最後に、ひとつだけ

家計の見直しで浮いたお金があれば、その一部を「新NISAの積立」に自動で回す設定にしてみるといいかもしれません。金額は無理のない範囲でかまいません。一度セットすれば、あとは“ほったらかし”で、貯める力が増やす力につながっていきます。

明日もまた、歩きながら考えます。


はいと はいと
40代・4人家族のビジネスパーソン。
毎朝、歩きながらお金と人生のことを考えています。

※本記事は2026年6月時点の情報およびわが家の実体験に基づくものです。投資は元本割れのリスクを伴います。最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。


情報の出どころ

投資には元本割れの可能性があります。制度・商品を選ぶ前に、生活防衛資金、使う予定のあるお金、家計の収支を確認してください。

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