40代4人家族がSIDE FIREを目指す理由
朝のウォーキング中、ふと足が止まりました。
桜並木の道。すでに散り始めた花びらが、ひらひらと舞い落ちていきます。耳を澄ますと、聞こえるのは葉ずれの音と、自分の呼吸だけ。イヤホンも、何の音楽もない朝でした。
その風景を眺めながら、私はぼんやりと考えていました。
家族も自分も、もっと自由で、豊かで、楽しい。そんな幸せに生きる方法は、ないものだろうか。
40代になって、お金と人生のことを真剣に考える時間が、ぐっと増えました。教育費、住まいの費用、老後の生活費。気づけば、お金の不安が同時並行で押し寄せてくる年代です。
そんな中、私が向き合ってきた一つの答えが「SIDE FIRE」でした。完全リタイアではなく、家族と自分の人生を両立させるための、現実的な選択として。
この記事では、40代・4人家族の会社員である私が、なぜFULL FIREではなくSIDE FIREを選んだのか。わが家の家計の数字や、妻に打ち明けた日のことまで、等身大の言葉でまとめてみます。
同じように悩み、同じように歩いている方の、何かのヒントになれば嬉しいです。
数年前、Youtubeで「SIDE FIRE」に出会ったとき
それは数年前、朝のウォーキング中のことでした。
通勤前にYoutubeでお金の話を聴いていた私は、ある動画で初めて「SIDE FIRE」という言葉に出会いました。
その瞬間、心の中で何かがピン!と鳴ったのを、今でもよく覚えています。
「あ、これだ。」
そう感じました。心が踊る、というのはこういう感覚かもしれません。
「Retire Early」には、興味がなかった
正直に言えば、「早期リタイア(Retire Early)」そのものには、あまり興味がありませんでした。
仕事を完全に辞めてしまう。社会から離れて暮らす。それは私にとって、目指したい未来というより、少し怖い未来に思えたのです。
けれどSIDE FIREは違いました。
- 経済的には自立する
- でも、社会との接点は持ち続ける
- 生活のためではなく、自分が好きで貢献したい仕事だけを選んでできる
これは「早期リタイア」ではなく、「自己実現と経済的自立の両立」。そこに、強く惹かれました。
働き続けたい、それは消極的な選択じゃない
私が「FULL FIRE」ではなく「SIDE FIRE」を選んだのは、妥協ではありません。
40代になって、働くということに対する見方が変わりました。仕事を通じて得られるものに、ちゃんと価値があると気づくようになりました。
- 自分が好き・得意なことで、社会に貢献できる喜び
- 自分の役割があるという自己肯定感
- 同僚や取引先とのつながり
- 知識やスキルが磨かれていく人的資本の蓄積
これらをすべて手放してしまうのは、私にとっては寂しいこと。ゆるく働きながら、お金からも自由になる形のほうが、自分には合っている気がしました。
経済的に「働かなくてもいい」状態を作っておけば、より自由に、より自分らしく仕事を選べる。SIDE FIREは、そのための土台でした。
わが家の現状とSIDE FIREの設計図
少しだけ、わが家の数字をお話しします。
家族構成と家計のかたち
家族は、妻と子ども2人の4人家族。子どもたちはこれから、教育費が本格的にかかってくるフェーズに入ります。
2026年4月の公開時点では、こんな形でした。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 資産の合計 | 約3,500万円(現金や将来受け取る分も含む) |
| 月の投資額 | 約30万円(新NISAを中心に) |
特別なことをしてきたわけではありません。ひとつだけ自分なりに意識してきたのは、「先送りにせず、早めに動き始めよう」 ということ。
SIDE FIREの目標額
わが家がSIDE FIREに向けて置いている目標資産は、7,500万円。
この数字は、計算式だけで決めたものではありません。わが家では年に数回、夫婦で家計相談会を開いています。その中で現在の家計と将来やりたいことを考え、毎月50万円あれば、家族でやりたいこともできそうだと判断しました。
その50万円のうち、月25万円を資産から補い、残り月25万円を夫婦の仕事で稼ぐという設計です。夫婦合計で月25万円なら、SIDE FIRE後もなんとか稼げるだろうと考えました。
7,500万円は、資産から補う年間300万円の25倍。わが家の長期計画上の目安であって、絶対に変えない金額ではありません。家計や、将来やりたいことが変われば、そのつど見直すつもりです。
参考までに、同じ前提で生活費のすべてを資産から補うFULL FIREを考えるなら、おおよそ1.5億円が必要になる計算です。4人家族で教育費や住まいの費用を考えながら1.5億円を狙うのは、わが家には現実的とは言えません。
その点、SIDE FIRE 7,500万円は、ちゃんと手が届く数字に見えました。2026年4月の時点で、資産の合計は3,500万円ほど。目標の7,500万円までは、まだ4,000万円ほどの道のりでした。ただ、この3,500万円には、すぐには動かせない現金や、将来受け取る見込みのお金も含まれています。だから頭の中では、実際に運用しているぶんだけを年5%で回し、そこへ毎月30万円を積み立てていったら――という、あくまで“ざっくりの見通し”として眺めています。いつ達成できると約束できるものではありません。
完璧に到達できるかどうかは、正直わかりません。それでも、目指せる目標があるかどうかで、毎日の歩き方は大きく変わります。
一番の不安は「健康」、だから日々大切にしていること
「投資で失敗するのは怖くないですか?」と聞かれることがあります。
正直、そこは大きな不安ではありません。わが家の投資の中心は、全世界株式に連動するインデックスファンド。長期で続ける考え方を大切にしています。短期の値動きで一喜一憂しすぎない、と自分に言い聞かせています。
私がいちばん怖いのは、投資ではなく――「健康」。ここだけは、譲れません。
「働けなくなる」が一番の不安
事故や病気で、働けなくなること。家族に経済的な不安を残してしまうこと。
これが、心の奥にずっとある不安。
だから私は、健康への投資をいつも意識しています。お金を増やすのと同じくらい、身体を守ることを大事にしたい。
私が日々やっていること
特別なことは、何もできていません。自分にできることを、自分なりに続けている。ただ、それだけ。
- 食事:コレステロールを意識した食生活
- 運動:日々のウォーキングと、できる日のランニング
- 睡眠:最低7時間は確保する
- メンタル:運動・読書・趣味で、こまめに発散する
- 健康診断:毎年必ず受けて、数値に変化があれば食生活を見直す
朝のウォーキングは、もはや生活の一部になりました。歩くことは、健康にも良いし、頭の整理にもなる。春の桜並木もあれば、夏の朝、新緑の山々が遠くに見える道、秋の紅葉、雪が降り積もる冬の道、海外で歩いた街並み、旅先のビーチ ── 景色は変わるけれど、歩いて考えるという習慣だけは変わらない。
だから、「歩く」は、私にとって最高のリスクヘッジなのだと思います。
家族旅行の帰り道、妻にSIDE FIREを打ち明けた
SIDE FIREという長期的な目標を、妻に初めて話したのは、家族旅行の帰り道でした。
(以下のやりとりは一字一句そのままではなく、当時の記憶をもとに、趣旨を書き起こしたものです。)
ハンドルを握りながら、私は切り出しました。
「実は、長期的な目標として、SIDE FIREという生き方を考えてるんだ。」
妻の最初の反応「お金は大丈夫なの?」
妻の最初の反応は、驚きと、不安。
「え、それって仕事辞めるってこと?」
「お金は大丈夫なの?」
そうした質問が返ってきました。当然だと思います。突然、夫が「将来こんな生き方を目指したい」と言い出せば、不安になるほうが自然でしょう。
私は、ハンドルを握ったまま、できるだけ落ち着いて説明しました。
- 完全に仕事を辞めるわけではなく、社会との接点は持ち続けたいこと
- 資産から月25万円を補い、夫婦の仕事で合計月25万円を稼ぐ構想
- 自分だけが自由になるための計画ではないこと
- 家族が経済的に自立し、子どもの将来をお金で困らせないこと
- 家族全員が、今より自由で豊かな人生を送れる状態を目指していること
- すぐに仕事を辞める話ではなく、時間をかけて積み上げる長期的な計画であること
数字を交えて、丁寧に。
自分だけの自由ではなく、家族全員のために
そして、最後に正直な気持ちを伝えました。
「自分だけが自由になりたいわけではない。家族が経済的に自立し、子どもたちがお金で困らず、家族みんなが今より自由に暮らせるようにしたい。そのためにSIDE FIREを目指したい。」
40代になって、健康診断の結果に一喜一憂するようになり、「もし自分が倒れたら」 という想像が、ときどき頭をよぎるようになっていました。そのときに、家族が経済的に追い込まれることだけは、絶対に避けたい。
それは夫として、父親として、どうしても大切にしたいこと。
妻が、これは私一人が自由になるための計画ではなく、家族全員の将来を考えた目標だと理解し、納得してくれた。それは、大きな一歩になりました。
この一度の会話で終わりではありません。その後も年に数回、夫婦で家計相談会を開き、現在の家計と将来やりたいことを見ながら計画を話し合っています。
SIDE FIREを目指して変えた3つのこと
SIDE FIREという目標を持ってから、日常の選択がだんだん変わってきました。その中でも、自分の中で大きかった3つの変化を共有します。
1. 新NISAでの月の投資額を30万円まで引き上げた
旧つみたてNISA時代から投資を続け、新NISAの開始後、家計に余力ができたタイミングで、毎月の投資額を30万円まで引き上げました。
「新NISAは積極的に活用すべき」と頭では分かっていても、毎月の積立額を大きく増やすには、家計の見直しと、ある種の覚悟が必要でした。それでも、この税制優遇を逃すわけにはいかないと判断しました。40代の私にとって、新NISAは間違いなく人生最大級のチャンス。逃す手はありません。
2. 6か月学び、簿記3級に合格した
「お金の勉強をきちんとしたい」と思い、約6か月学んで日商簿記3級に合格しました。
仕事でも数字を扱うことは多く、簿記の知識は仕事と家計の両方に役立っています。「お金の流れを読み解く力」は、SIDE FIREを目指すうえでも役立つスキルだと感じています。
3. Webライティングを一から学び、100記事以上を書いた
Webライターの仕事を受注し始めたときは、記事を書いた経験がありませんでした。一から学び、1記事ずつ取り組むうちに少しずつ慣れ、100記事以上を書きました。
最も大変だったのは、執筆そのものより期日管理です。平日に提出期限がある日は、本業を早めに終えて帰宅後に執筆し、とにかく期限を守ることを優先しました。
ただ、発熱して休んだときは、予定どおりには進められませんでした。そのときは事情を伝え、提出を数日延期してもらいました。副業を続けるには、書く力だけでなく、本業や体調と折り合いをつけながら期限を管理する力も必要だと実感した経験です。
このブログを始められたのも、ライターとして一つずつ書いてきた経験があったからこそです。
一つひとつは地道な取り組みです。それでも、「目標に向かって、今日も少しだけ進めた」と思える日が増えたこと。振り返ると、それが私にとって大きな変化だったのかもしれません。
より自由に、より自分らしく
朝のウォーキング中、散り行く桜の花びらを見ながら、ふと思ったことがあります。
人はいつか死ぬ。
だからこそ、やりたいことをやっておきたい。
より自由に、より自分らしく、生きていきたい。
桜は毎年咲いて、毎年散る。そのサイクルの中で、自分にとっての「より自由に、より自分らしく」とは何か。私は、歩きながら、その問いに向き合い続けています。
まとめ:SIDE FIREは、ゴールではなく方位磁石
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
私にとってのSIDE FIREは、「達成したらすべてが解決する魔法のゴール」ではありません。どちらかといえば、自分と家族の人生をちゃんと歩いていくための、方位磁石。そんな存在です。
完璧に到達できるかどうかは、正直わかりません。それでも、方向性が定まっていれば、迷わずに進める。歩きながら考え、考えながら歩く。その繰り返しが、私のSIDE FIREへの道のりなのだと思います。
このブログでは、これから家計や投資の判断、実際にできた節約術、学びになった本のこと、家族との対話など、リアルな試行錯誤を等身大で綴っていきます。
同じ40代として、同じ親として、同じ「お金と人生のバランスに悩む一人」として。「一緒に歩いていく」感覚で、ゆっくり丁寧に書いていきます。
「5年後、10年後、家族とどんなふうに暮らしていたいか」を、一度だけ紙に書き出してみてください。数字より先にこの“行きたい方向”が決まると、お金の判断はぐっとラクになります。わが家も、夫婦の何気ない会話から始まりました。
明日もまた、歩きながら考えます。
はいと
40代・4人家族のビジネスパーソン。
歩きながら、お金と人生のことを考えています。
記事の前提
- 掲載した家計の金額とSIDE FIREの目標は、2026年4月時点(公開時)のわが家の長期計画です。
- 年5%は将来の成果を保証しない仮定値であり、投資には元本割れの可能性があります。
- 新NISAの制度は、金融庁「新しいNISA」を確認してください。
関連記事
- 【40代4人家族の家計見直し】月30万円を投資に回すために、本気で向き合った話
- 【家計見直し総まとめ】固定費削減で年68万円を生み出した6つの方法
- 年68万円浮かせた、その先へ。貯める力の次は「増やす力」
- 結局、新NISAって何がすごい? 旧つみたてNISAから続ける目線でやさしく解説
下のバナーから応援していただけると励みになります

