全世界株式はおすすめしない? 3本を比べて、わが家がオルカンを選んだ理由
執筆・確認:はいと|40代・4人家族の会社員。2019年に月3万円ほどから積立を始めて約7年。暴落でも売らずに続け、いまは世帯で月30万円。
「全世界株式はおすすめしない、という声を見かける。オルカンで本当にいいの?」
「おすすめしない」と言われる理由は、どれも事実です。米国株より成績が劣る時期がある。伸びない国も持つ。暴落では大きく下がる。
それでも、伸びる国を当てにいかないなら、十分な選択肢だと考えています。私が積み立てているのは、オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)。決め手は、手数料(信託報酬)の安さと、集まっているお金(純資産総額)の大きさでした。
私が積み立てているのは「オルカン」です
私がコアとして積み立てているのは、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」。いわゆる“オルカン”です。
この1本で、先進国から新興国まで、世界中の株式にまるごと投資できます。まさに、前回お話しした「全世界株」を、シンプルな形で実践しやすいファンドでした。
いま選ぶなら、見比べたい3本
全世界株のインデックスファンドは、いくつもある。いま、あらためて選ぶとしたら、私が見比べるのはこの3本です。
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- SBI・全世界株式インデックス・ファンド
- 楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド
どれも、全世界株に低コストで投資できる、いい選択肢。「どれか一つだけが正解」というより、そのときのコストや中身、使っている証券会社との相性を見て選ぶものだと思います。
ちなみに、私が積み立てを始めた頃には、まだ出そろっていなかった商品もある。だからこれは、あくまで“いまの目線”での見比べ方です。
私は現在、オルカンを積み立てています。いま見直すとしても比較はしますが、調べるほど小さな違いが大きく見えて、迷いが増える瞬間も。
この3本からオルカンにした理由は、ひとつに絞れます。信託報酬。中身はどれも全世界株で大きくは変わらないので、ほかの2本を選ばなかった理由も、突きつめればそこだけでした。
そのうえで、最終的にオルカンを選んだのには、いくつかの理由がありました。
オルカンに決めた理由
決め手は「信託報酬の低さ」
いちばんの決め手は、信託報酬(運用にかかるコスト)の低さでした。
インデックス投資は、長期で何十年も持ち続けるもの。だからこそ、毎年かかるコストの差は、複利(増えた分にも利益がつくこと)で効いて、最後に大きな違いになります。オルカンは、信託報酬が低水準に抑えられています。長く付き合う相手として、そこは大きな判断材料でした。
毎月積み立てる金額が大きくなるほど、「わずかな差だから」と流せなくなる。家族で積み立てていくお金だからこそ、派手な期待よりも、納得して長く払い続けられるコストかどうかを見ました。
純資産総額が大きく、「途中で終わる」心配が少ない
もう一つ安心材料だったのが、純資産総額の大きさです。
投資信託は、人気がなく規模が小さいと、運用が途中で打ち切られる(繰上償還)こともあります。せっかく長期で積み立てるつもりが、途中で「終了します」となっては困りますよね。
長期投資では、相場の下落だけでも気持ちが揺れます。そのときに、商品そのものへの不安まで抱えたくない。そう思うと、規模の大きさは、数字以上に心の支えになりました。
その点オルカンは、純資産総額の規模が大きいファンド。多くの人に選ばれ、規模が大きいということは、長期で持ち続けるうえでの安心材料の一つになります。
コストを意識する“姿勢”に共感した
そしてもう一つ、数字には表れない理由がある。それは、運用会社の姿勢への共感です。
オルカンは、これまでも信託報酬の引き下げを重ねてきています。「投資家にとって続けやすいコストに近づけていく」── その姿勢に、私は共感しています。
投資信託は、一度買って終わりではありません。むしろ、買ったあとに何年も付き合っていくもの。だから私は、数字だけでなく、「長く残る投資家のほうを向いてくれているか」という感覚も大切にしました。
数字(コスト・規模)と、姿勢(投資家目線)。その両方がそろっていたことが、私がオルカンを選んだ決め手でした。
コアにしやすいと思える理由
オルカンを持っていて、いちばん心が軽いのは、あれこれ考えることを減らせることです。
オルカンは「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス」という、世界の株式市場を表す指数に連動しています。
世界経済の動きに合わせて、中身の銘柄は自動で入れ替わっていきます。たとえば、ある国や企業の存在感が増せば、その比率は自然と高まる。逆に勢いを失えば、比率は下がっていく。
つまり、私が銘柄を選んだり、入れ替えたりする必要がない。指数のルールに沿って、世界の株式市場に広く分散できます。
私は、長期的には世界全体の成長に期待しています。だからこそ、オルカンをコアにして、あとはどっしり持ち続ける。このシンプルさは、自分に合っていると感じています。
仕事や家のこと、子どもの予定に追われていると、投資のことばかり考えてはいられません。相場や商品比較に気持ちを持っていかれすぎない。生活の真ん中に投資を置きすぎない。その意味でも、私には「考える量を減らせる一本」が合っていました。
世帯の2口座で同じファンドを積み立てている
ちなみに、わが家の積み立て方も、少しだけ。
以前、証券口座を2社持っているという話を書きました。NISA口座は一人につき1社しか持てませんが、家族の中で使う人が複数いれば、それぞれが1社ずつ持てます。
わが家も楽天証券とSBI証券の口座を使い分けて、どちらでも同じオルカンを積み立てています。
毎月の積立は、世帯で合わせて30万円ほど。そのうち20万円は、クレジットカードでの積み立てにしています。特別なことは何もしていなくて、同じ一本を、二つの口座で淡々と買い続けているだけです。
ちなみに、積み立て自体は旧つみたてNISAの時代から続けていて、新NISAへ移行してからは、さらに積み増してきました。
家族のお金のことなので、私だけが前のめりになりすぎないようにも気をつけています。どちらか一人の気分で大きく動かすのではなく、仕組みとして淡々と続く形にしておく。そのほうが、あとで振り返ったときにも納得しやすいと感じています。
全世界株式は「おすすめしない」? そう言われる理由と、私が持ち続ける理由
「全世界株式はおすすめしない」という声には、主に次のような理由があります。どれも、持つ前に知っておきたいことです。
- 米国株(S&P500)と比べると、過去のリターンは下回る局面もありました。広く分散するぶん、一国に賭けるほどの爆発力はない、というトレードオフがあります。
- 成長が鈍い国や地域にも、まとめて投資することになります。どこが伸びるかを選ばないということは、伸びないところも持つということです。
- 中身の大きな比重は米国株です。世界に分散しているつもりでも、米国の株価の影響を大きく受けます。
- 全世界株でも、中身は株式100%。だから、暴落のときには大きく値下がりします。「分散しているから安全」ではなく、元本保証はありません。
- 円建てなので、為替の影響も受けます。海外の株価が動かなくても、円高・円安で評価額は変動します。
それでも私は、「当てにいかず、世界全体に乗る」という考え方を大事にしているので、これらを納得したうえで持ち続けています。どの国が伸びるかを、自分で当てにいかなくていい。その安心のほうが、私には大きかった。全世界株とS&P500をどう比べたかは、こちらの記事に書いています。
まとめ:弱点を知ったうえで、それでも持ち続ける
伸びる国を当てにいかないなら、オルカンは十分な選択肢です。 「おすすめしない」と言われる理由は、知っておくべき事実。そのうえで、私は持ち続けています。
オルカンを選んだ理由を、あらためてまとめると、こうなります。
信託報酬の低さ・純資産総額の大きさ・コストを下げてきた姿勢。 この3つがそろっていたから、私はコアの一本としてオルカンを選びました。
くり返しになりますが、これはあくまで私の選択であって、特定の商品をおすすめするものではありません。SBI・全世界株式や楽天・プラス・オールカントリーも、候補になりうるファンドだと思います。
大事なのは、自分が納得して、長く付き合える一本を選ぶこと。その判断材料の一つとして、この例が役に立てばうれしいです。
私が欲しかったのは、「いちばん良い一本を当てた」という感覚よりも、迷ったときに戻ってこられる理由でした。
相場が荒れた日にも、他の商品がよく見えた日にも、「自分はこう考えて選んだ」と思い出せること。それが、長く続けるうえで意外と大事なのだと思います。
いちばん良い一本を当てるより、長く付き合える一本を納得して選ぶ。
いま積み立てている(または候補の)ファンドの「信託報酬」を、一度調べてみてください。長く持つほど、この小さなコストの差が効いてきます。数字を知って選べば、相場が荒れた日にも「自分はこう考えて選んだ」と戻ってこられます。
明日もまた、歩きながら考えます。
はいと
40代・4人家族の会社員。
お金の知識がなかった、あの頃の自分に向けて書いています。
※本記事で挙げた商品は、あくまで筆者が選んだ一例であり、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。信託報酬や運用方針などの内容は変更される場合があるため、最新の情報は目論見書や各社公式サイトでご確認ください。投資は元本割れのリスクを伴い、最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします(本記事は執筆時点の情報および筆者の実体験に基づきます)。
情報の出どころ
- 三菱UFJアセットマネジメント|eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
- SBIアセットマネジメント|SBI・全世界株式インデックス・ファンド
- 楽天投信投資顧問|楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド
- MSCI|MSCI ACWI Index
- 金融庁|NISA特設ウェブサイト

はいと

