全世界株か、S&P500か? わが家が“全世界株”を選んだ理由
執筆・確認:はいと|40代・4人家族の会社員。月3万円ほどから始めた積立を、暴落でも売らずに続け、いまは世帯で月30万円。
「全世界株とS&P500、どっちを選べばいいの?」
迷ったら、全世界株です。10年後、20年後に伸びる国を、私は当てられません。だから、世界全体を持つことにしました。
米国の代表的な500社に投資するS&P500も、十分よい選択肢です。大事なのは、選んだ一本を、何があっても続けられるかでした。
「全世界株か、S&P500か」── 私も迷った分かれ道
まず前提として、どちらも「低コストで広く分散できる、選択肢になりうるインデックス」です。
それでも迷うのは、2つの“性格”が少しだけ違うから。ここを理解すると、自分に合うほうが見えてきます。
迷うこと自体は、悪いことではないと思います。大切なお金だから慎重になるし、家族の将来に関わるからこそ、簡単には決めきれない。
私も、そうでした。むしろ、その迷いを一度ちゃんと通ったから、戻れる場所ができました。相場が揺れたときにも「自分で考えて決めたんだ」と思えるのです。
2つの違いを、シンプルに整理する
むずかしく考える必要はない。違いは、ひとことで言えば「どこまで広く分散するか」です。
全世界株 ── 世界まるごとに分散する
全世界株のインデックスは、その名のとおり、世界中の株式にまとめて投資します。アメリカ、日本、ヨーロッパ、そして新興国まで。先進国から新興国まで、数千社にまるごと分散するイメージです。
こうした全世界株のインデックスファンドは、いまは低コストの商品がそろっています。たった1本買うだけで、世界中の株式にまるごと投資できます。
S&P500 ── アメリカの代表500社に集中する
いっぽうのS&P500は、アメリカを代表する約500社に投資するインデックス。AppleやMicrosoftといった、世界的な巨大企業がずらりと並びます。
S&P500に連動するインデックスファンドも、低コストのものが広く選べる。過去の実績で見れば、アメリカ経済の力強い成長を、しっかり取り込んできました。
表で並べてみると
| 比較ポイント | 全世界株 | S&P500(米国株) |
|---|---|---|
| 投資先 | 世界中の先進国・新興国(数千社) | アメリカの代表的な約500社 |
| 分散の広さ | 国も地域も幅広く分散 | アメリカ1国に集中 |
| 米国の扱い | 米国を含みつつ、ほかの国にも分散 | 米国のみ |
| ざっくりした考え方 | どこが伸びるか読まず、世界全体に乗る | 今後もアメリカの成長を信じる |
ここで押さえておきたいのは、全世界株にも米国株が大きな比重で含まれていることです。「全世界株を選ぶ=アメリカを外す」ではありません。米国の比率は、時価総額の変化に応じて動きます。だから固定の数字ではなく、「米国にも乗りながら、ほかの国にも分散する」と捉えています。
わが家が「全世界株」を選んだ理由
さんざん迷った末、私がコア(軸)に選んだのは、全世界株。一晩でスパッと決めたというより、何度も行ったり来たりしながら、少しずつ腹落ちしていった感覚です。理由は、大きく2つあります。
「どこが伸びるか」を、自分で読まなくていい
いちばんの理由は、これです。
過去の実績だけ見れば、たしかにアメリカは強い。でも、その強さが、この先も続くかどうかは、誰にも分かりません。
10年後、20年後に、どの国の経済が伸びているか。それを当てにいくのは、結局個別株を資産形成の軸にしなかった理由と同じ「予想ゲーム」になってしまう。
だったら、どこが伸びても取りこぼさないように、世界全体に乗っておく。これがいちばんラクで、自分の性格に合っていました。アメリカが伸びれば、全世界株に含まれる米国株を通じて、その恩恵も受けられます。
毎日のニュースを見て、「次はどの国だろう」と心を揺らし続けるより、世界全体に任せておく。私にとっては、そのほうが肩の力を抜いて続けられる選び方でした。
一本で完結する“ほったらかしやすさ”
もう一つは、シンプルさです。
全世界株は、1本買うだけで世界中に分散が完成します。「先進国も新興国も、バランスよく持ちたい」と自分で組み合わせる必要がない。考えることが、限りなく少なくなる。
忙しい40代の私にとって、この「ほったらかしやすさ」は、何よりの魅力。仕事があり、家事があり、子どもの予定があり、毎日ずっと投資のことを考えていられるわけではありません。
『ほったらかし投資術』で学んだ「淡々と続ける」を、いちばん実践しやすい形だったのです。
「未来を当てにいかない」「考えなくていい」。私にとって全世界株は、このふたつを同時に叶えてくれる、ちょうどいい選択でした。
そして、決めたあとに残ったのは、安心でした。どの国が伸びるかを当てにいかなくても、世界のどこかが伸びれば、そのぶんには乗れる。当てにいかなくていいと分かったことが、そのまま気持ちの落ち着きになりました。
迷ったときに戻る、私の判断メモ
比較記事を読むたびに、結論を変えないように。私は「どちらが次に上がるか」ではなく、自分が続けるための条件に戻るようにしています。
| 判断軸 | 迷ったときの問い | 私の結論 |
|---|---|---|
| 国の予想 | 10年後、20年後の勝ち国を自分に当てられるか | 当てにいかず、世界全体を持つ |
| 管理の手間 | コアを一本で完結させられるか | 全世界株一本なら、自分で国別配分を直さなくてよい |
| 米国への魅力 | 米国の強さに惹かれつつ、集中リスクも受け入れられるか | 米国を外さず、全世界株の一部として持つ |
| 続けやすさ | 一方が好調な時期にも、落ち着いて眠り、積み立てを続けられるか | 私には、より広い分散のほうが合っている |
念のためですが、これは「全世界株のほうが儲かる」という予想ではない。当たっても外れても、自分が続けやすいほうを選ぶための、わが家なりのものさしです。
もちろん、S&P500もすばらしい選択肢
ここまで読むと「じゃあS&P500はダメなの?」と思われるかもしれませんが、けっしてそんなことはありません。
「これからもアメリカの成長を信じている」「世界の最先端企業に集中して乗りたい」。そう考えるなら、S&P500も選択肢になる。一定の期間では、S&P500が全世界株を上回る場面もありました。
私も、米国株の強さには今でも惹かれます。だから、S&P500を選ぶ人の気持ちもよく分かります。未来は誰にも分からないからこそ、自分が信じられるほうを選ぶ。それも、すごく誠実な向き合い方だと感じます。
どちらが正解、という話ではない。「これなら、何があっても続けられる」と思えるほう── それが、その人にとっての正解なのだと思います。
私が大事にしているのは「コロコロ乗り換えないこと」
最後に、自分が気をつけていることを、ひとつだけ。
全世界株かS&P500かで悩むのは、とても健全なこと。ただ、いちばんもったいないと感じるのは、決めたあとにコロコロ乗り換えてしまうことです。
「最近はS&P500が好調だから、こちらがいいのでは」「やっぱり全世界株かな」。私にも、好調なほうが目に入るたびに、検索し直したくなる時期がありました。
ただ、相場を追いかけて乗り換え続ければ、結局は「当てにいく投資」に戻ってしまいます。個別株を資産形成の軸にしなかった理由で書いた、あの投資です。
だから私にとっては、選ぶことと同じくらい、決めた後の自分を守ることが大事でした。迷いが戻ってきたときに、「自分はこの考え方でいく」と立ち戻れる理由を持っておく。投資方針は、相場から自分を守るメモのようなものでもあるのだと思います。
どちらにも良さがある。だからこそ、一度自分で納得して決めたら、どっしり構えて続ける。それが、インデックス投資との、いちばん心地よい付き合い方でした。
まとめ:迷ったら、より広く分散しておく
未来を当てにいかず、世界全体に乗る。 全世界株か、S&P500か。私の場合は、迷ったら、より広く分散しておく。コアを全世界株にしているのは、それがいちばん「考えずに続けられる」形だったからです。
もちろん、S&P500を選ぶ人を否定するつもりは、まったくありません。大事なのは、自分が納得して、長く続けられる一本を選ぶこと。そして、一度決めたら、どっしり構えること。それだけです。
投資は、最後は自分の心と一緒に続けていくものです。口座の数字が増える日もあれば、下がって不安になる日もある。そんなときに、夜に眠れる選択であること。私にとって、全世界株はそういう意味でも、ちょうどいい距離感の投資先でした。
全世界株かS&P500かで迷ったら、紙に一言だけ書いてみてください。「自分が“何があっても続けられる”のはどちらか」。正解を当てにいくより、迷ったときに戻れる“自分の理由”があるほうが、長く続けられます。
明日もまた、歩きながら考えます。
はいと
40代・4人家族の会社員。
お金の知識がなかった、あの頃の自分に向けて書いています。
※本記事は執筆時点の情報および筆者の実体験に基づくものです。投資は元本割れのリスクを伴います。最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。

はいと

