全世界株か、S&P500か? わが家が“全世界株”を選んだ理由
執筆・確認:はいと|40代・4人家族の会社員。投資歴約7年、Webライターとして100本以上を執筆。
「インデックスにするのは決めた。でも、全世界株とS&P500、どっちを選べばいいの?」
「まわりはS&P500がいいって言うけど、本当にそれで合ってる?」
インデックス投資を始めようとすると、ほぼ誰もがぶつかるのが、この“最初の分かれ道”です。私も、ここでしっかり悩みました。今日は、2つの違いを整理しながら、私が出した答えをお話しします。
前回は、個別株をやめて、投資の軸をインデックスに移した話をしました。「よし、インデックスでいこう」と決める。すると、ほぼ必ず次の疑問が待っています。
それが、「全世界株か、S&P500か?」という問いです。
ネットを見れば、「S&P500一択!」という声もあれば、「いやいや全世界株でしょ」という声もある。どちらももっともらしくて、初心者ほど迷ってしまいます。今日は、私がどう考えて、どちらを“軸”に選んだのかをお話しします。
この迷いは、単なる商品比較ではありませんでした。これから何年も、家族のお金を預けていく先を決める話です。だからこそ、私は簡単に「これが正解」とは言えませんでした。強い意見を読むたびに心が揺れて、いったん決めたつもりでも、また検索してしまう。そんな時期がありました。
ひとつ先にお伝えしておくと、私は実際にS&P500を買って持っていたわけではありません。全世界株を軸に決めるまでに、S&P500と見比べて考えた──その経験をもとに書いています。
「全世界株か、S&P500か」── 多くの人が迷う分かれ道
まず前提として、どちらも「低コストで広く分散できる、選択肢になりうるインデックス」です。
それでも迷うのは、2つの“性格”が少しだけ違うから。ここを理解すると、自分に合うほうが見えてきます。
迷うこと自体は、悪いことではないと思います。大切なお金だから慎重になるし、家族の将来に関わるからこそ、簡単には決めきれない。私もそうでした。むしろ、その迷いを一度ちゃんと通ったからこそ、あとから相場が揺れたときにも「自分で考えて決めたんだ」と戻れる場所ができました。
2つの違いを、シンプルに整理する
むずかしく考える必要はありません。違いは、ひとことで言えば「どこまで広く分散するか」です。
全世界株 ── 世界まるごとに分散する
全世界株のインデックスは、その名のとおり、世界中の株式にまとめて投資します。アメリカ、日本、ヨーロッパ、そして新興国まで。先進国から新興国まで、数千社にまるごと分散するイメージです。
こうした全世界株のインデックスファンドは、いまは低コストの商品がそろっていて、たった1本買うだけで、世界中の株式にまるごと投資できます。
S&P500 ── アメリカの代表500社に集中する
いっぽうのS&P500は、アメリカを代表する約500社に投資するインデックスです。AppleやMicrosoftといった、世界的な巨大企業がずらりと並びます。
S&P500に連動するインデックスファンドも、低コストのものが広く選べます。過去の実績で見れば、アメリカ経済の力強い成長を、しっかり取り込んできました。
表で並べてみると
| 比較ポイント | 全世界株 | S&P500(米国株) |
|---|---|---|
| 投資先 | 世界中の先進国・新興国(数千社) | アメリカの代表的な約500社 |
| 分散の広さ | 国も地域も幅広く分散 | アメリカ1国に集中 |
| 米国の扱い | 米国を含みつつ、ほかの国にも分散 | 米国のみ |
| ざっくりした考え方 | どこが伸びるか読まず、世界全体に乗る | 今後もアメリカの成長を信じる |
ここで押さえておきたいのは、全世界株にも米国株が大きな比重で含まれていることです。「全世界株を選ぶ=アメリカを外す」ではありません。米国の比率は時価総額の変化に応じて動くため、固定の数字としてではなく、「米国にも乗りながら、ほかの国にも分散する」と捉えています。
わが家が「全世界株」を選んだ理由
さんざん迷った末、私がコア(軸)に選んだのは、全世界株でした。一晩でスパッと決めたというより、何度も行ったり来たりしながら、少しずつ腹落ちしていった感覚です。理由は、大きく2つあります。
「どこが伸びるか」を、自分で読まなくていい
いちばんの理由は、これです。
過去の実績だけ見れば、たしかにアメリカは強い。でも、その強さが、この先も続くかどうかは、誰にも分かりません。10年後、20年後に、どの国の経済が伸びているか── それを当てにいくのは、結局個別株を資産形成の軸にしなかった理由と同じ「予想ゲーム」になってしまう。
だったら、どこが伸びても取りこぼさないように、世界全体に乗っておく。これがいちばんラクで、自分の性格に合っていました。アメリカが伸びれば、全世界株に含まれる米国株を通じて、その恩恵も受けられます。
毎日のニュースを見て、「次はどの国だろう」と心を揺らし続けるより、世界全体に任せておく。私にとっては、そのほうが肩の力を抜いて続けられる選び方でした。
一本で完結する“ほったらかしやすさ”
もう一つは、シンプルさです。
全世界株は、1本買うだけで世界中に分散が完成します。「先進国も新興国も、バランスよく持ちたい」と自分で組み合わせる必要がない。考えることが、限りなく少なくなる。
忙しい40代の私にとって、この「ほったらかしやすさ」は、何よりの魅力でした。仕事があり、家事があり、子どもの予定があり、毎日ずっと投資のことを考えていられるわけではありません。『ほったらかし投資術』で学んだ「淡々と続ける」を、いちばん実践しやすい形だったのです。
私にとって全世界株は、「未来を当てにいかない」「考えなくていい」── このふたつを同時に叶えてくれる、ちょうどいい選択でした。
迷ったときに戻る、私の判断メモ
比較記事を読むたびに結論を変えないために、私は「どちらが次に上がるか」ではなく、自分が続けるための条件に戻るようにしています。
| 判断軸 | 迷ったときの問い | 私の結論 |
|---|---|---|
| 国の予想 | 10年後、20年後の勝ち国を自分に当てられるか | 当てにいかず、世界全体を持つ |
| 管理の手間 | コアを一本で完結させられるか | 全世界株一本なら、自分で国別配分を直さなくてよい |
| 米国への魅力 | 米国の強さに惹かれつつ、集中リスクも受け入れられるか | 米国を外さず、全世界株の一部として持つ |
| 続けやすさ | 一方が好調な時期にも、落ち着いて眠り、積み立てを続けられるか | 私には、より広い分散のほうが合っている |
念のためですが、これは「全世界株のほうが儲かる」という予想ではありません。当たっても外れても、自分が続けやすいほうを選ぶための、わが家なりのものさしです。
もちろん、S&P500もすばらしい選択肢
ここまで読むと「じゃあS&P500はダメなの?」と思われるかもしれませんが、けっしてそんなことはありません。
「これからもアメリカの成長を信じている」「世界の最先端企業に集中して乗りたい」── そういう方にとっては、S&P500も選択肢になります。一定の期間では、S&P500が全世界株を上回る場面もありました。正直に言えば、私も米国株の強さには今でも惹かれます。だから、S&P500を選ぶ人の気持ちもよく分かります。未来は誰にも分からないからこそ、自分が信じられるほうを選ぶ。それも、すごく誠実な向き合い方だと感じます。
どちらが正解、という話ではありません。「これなら、何があっても続けられる」と思えるほう── それが、その人にとっての正解なのだと思います。
私が大事にしているのは「コロコロ乗り換えないこと」
最後に、自分が気をつけていることを、ひとつだけ。
全世界株かS&P500かで悩むのは、とても健全なこと。ただ、いちばんもったいないと感じるのは、決めたあとにコロコロ乗り換えてしまうことです。
「最近はS&P500が好調だから、こちらがいいのでは」「やっぱり全世界株かな」── 私にも、好調なほうが目に入るたびに検索し直したくなる時期がありました。ただ、相場を追いかけて実際に乗り換え続ければ、結局は個別株を資産形成の軸にしなかった理由で書いた「当てにいく投資」に戻ってしまいます。
だから私にとっては、選ぶことと同じくらい、決めた後の自分を守ることが大事でした。迷いが戻ってきたときに、「自分はこの考え方でいく」と立ち戻れる理由を持っておく。投資方針は、相場から自分を守るメモのようなものでもあるのだと思います。
どちらにも良さがある。だからこそ、一度自分で納得して決めたら、どっしり構えて続ける。それが、インデックス投資との、いちばん心地よい付き合い方でした。
まとめ:迷ったら、より広く分散しておく
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
全世界株か、S&P500か。私の結論は、こうでした。
未来を当てにいかず、世界全体に乗る。 私の場合は、迷ったら、より広く分散しておく。コアを全世界株にしているのは、それがいちばん「考えずに続けられる」形だったからです。
もちろん、S&P500を選ぶ人を否定するつもりは、まったくありません。大事なのは、自分が納得して、長く続けられる一本を選ぶこと。そして、一度決めたら、どっしり構えること。それだけです。
投資は、最後は自分の心と一緒に続けていくものです。口座の数字が増える日もあれば、下がって不安になる日もある。そんなときに、夜に眠れる選択であること。私にとって、全世界株はそういう意味でも、ちょうどいい距離感の投資先でした。
さて、ここまで「全世界株を軸にする」と決めたところで、いざ買うとなると、全世界株のインデックスファンドにもいくつか種類があります。「結局、どれを買えばいいの?」── そう思いますよね。次の記事では、実際に選んだ全世界株ファンドと、その決め手をお話しします。
全世界株かS&P500かで迷ったら、「自分が“何があっても続けられる”のはどちらか」を、一言でいいので紙に書いてみるのがおすすめです。正解を当てにいくより、迷ったときに戻れる“自分の理由”があるほうが、長く続けられます。
明日もまた、歩きながら考えます。
はいと
40代・4人家族のビジネスパーソン。
毎朝、歩きながらお金と人生のことを考えています。
※本記事は執筆時点の情報および筆者の実体験に基づくものです。投資は元本割れのリスクを伴います。最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。
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