投資で大事なことは、たった5つ?『投資の大原則』が教えてくれたシンプルの強さ
執筆・確認:はいと|40代・4人家族の会社員。投資歴約7年、Webライターとして100本以上を執筆。
「投資の本って、分厚くて難しそう…」
「結局、何をすればいいのか、ひと言で知りたい」
そんな方に、私が読みやすい入口として手に取ったのが、バートン・マルキールとチャールズ・エリスの共著、『投資の大原則』です。この記事では、投資歴約7年・40代4人家族の私が、この本から再確認したことを等身大でお伝えします。
増やす力シリーズ、積立の話を締めくくる書評は、私の投資観の「答え合わせ」になった一冊です。
それが、バートン・マルキールとチャールズ・エリスの共著、『投資の大原則』。インデックス投資や長期投資について語ってきた二人が、個人投資家向けに考え方をコンパクトにまとめた本です。
『敗者のゲーム』のエリス、『ウォール街のランダム・ウォーカー』のマルキール。これまで読んできた2冊と同じ方向を、もう少し短く整理してくれる本として読みました。
『投資の大原則』ってどんな本?
『投資の大原則』(原題:The Elements of Investing)は、インデックス投資の世界で長く読み継がれてきた二大名著の著者が、そのエッセンスだけを一冊に凝縮した本です。
何より、薄くて読みやすい。分厚い名著を前に身構えてしまう人でも、手に取りやすい一冊です。それでいて、語られているのは、二人がそれぞれの著書で繰り返し伝えてきた投資の基本。いわば、二大名著の入口のような本です。
そして、この本がユニークなのは、いきなり投資の話から始めないところ。出発点は、もっと手前にあります。
投資の前に「まず、貯蓄から」
二人の投資家がこの本の冒頭で説くのは、意外にも投資テクニックではありません。「まず、貯蓄を始めよう」ということ。
支出を収入よりも低く抑える。その差額を、コツコツ貯めて投資に回していく。これこそが、資産形成の土台になると、二人は繰り返し説いています。
ここを読んで、私はうれしくなりました。この増やす力シリーズの前に、丸ごと一章をかけて取り組んできた「貯める力」──固定費を見直して年68万円を浮かせた、あの地道な作業。それこそが、投資の大原則の「第一歩」に近いものだったのです。
「72の法則」で、時間の力を実感する
この本では、「72の法則」も紹介されています。これは、何年で資産が倍になるかを、ざっくり試算できる法則です。
72 ÷ 利回り(%) ≒ 資産が倍になるまでの年数
たとえば、年5%で運用できれば「72 ÷ 5 ≒ 14年」で資産は倍に。年7%なら、約10年です。複利の力を、たった一本の割り算でイメージできる。シンプルだけれど、長く投資を続けるモチベーションになる考え方です。
二人の巨匠がたどり着いた「5つの原則」
本書の核は、シンプルです。「シンプルな投資」として、低コストで広く分散されたインデックス投資の有効性を示し、続けて分散投資の重要性を徹底して説きます。
そして最後のまとめとして、個人投資家が守るべきことが、5つのポイントに凝縮されています。
- 1. 若いうちから貯蓄を始め、続けること
- 2. 会社の福利厚生制度や国の制度を活用し、税制優遇を得ること
- 3. 市場全体に投資する低コストのインデックス・ファンドを資産に組み入れること
- 4. 年に一回、資産配分を見直すこと
- 5. 市場の値上がり・値下がりを気にせず、自分の決めた投資方法を守ること
驚くほど地味です。でも、この5つを淡々と守れる人が、資産形成に近づいていく。二人がそれぞれの名著で何百ページもかけて伝えてきたことが、ここに静かに収まっています。
ちなみに「2」の税制優遇は、日本に住む私たちにとっては新NISAやiDeCoのような制度に置き換えて考えられます。本書はアメリカの本なので、日本の制度とは前提が違いますが、新NISAの仕組みを知っていると、自分の状況に引き寄せて読めます。
私がこの本で“再確認”した3つのこと
正直に言うと、この本を読んで「新しい発見に衝撃を受けた」わけではありませんでした。むしろ逆です。先に読んだ本から学んだことを、すでに実践している最中に読んだので、感じたのは「やっぱり、向かっている方向は正しいんだ」という静かな安心でした。
1向かっている方向は、間違っていなかった
低コストのインデックスファンドを、分散して、長期で持つ。税制優遇の器(新NISA)を活用する。私がコツコツ続けてきたことが、本書の考え方と重なっていました。
投資をしていると、ときどき「本当にこのやり方でいいのかな」と不安になる瞬間があります。そんなとき、信頼できる本に「それで合っているよ」と背中を押してもらえる。自分の航路を再確認できる。この本は、私にとってそういう一冊でした。
2「続ける」が、いちばん難しくて、いちばん効く
5つのポイントを読んで、改めて感じたのは、とにかく続けることの重要性です。
暴落したときも狼狽売りをせず、淡々と持ち続ける。ここまで積立を続けてこられたのは、特別な才能があったからではなく、ただやめなかったから。それだけだと思います。
3自動化は、感情から自分を守る仕組み
そして、続けられたのには、もうひとつ理由があります。自動積立で仕組み化し、ほったらかしていたことです。
考えすぎると、株価が下がる局面では「今のうちに売ったほうがいいのでは」といった、余計な感情がわいてきます。でも、クレカの自動積立で買い付けが自動で進む仕組みにしておけば、毎月いちいち決断しなくていい。
「自分の航路を守る」と一度決めてしまえば、狼狽売りしそうになる場面を減らせます。感情とうまく付き合っていくこと。それが長く続けるコツなのだと、この本を読んで腹落ちしました。
こんな人に合いそう
『投資の大原則』は、特にこんな方に合いそうです。
- 投資の本に興味はあるけれど、分厚い名著を読むのは気が引ける人
- これまで投資をしたことがなく、何から知ればいいか分からない人
- すでに投資をしていて、自分の方向性を見直したい経験者
- 『敗者のゲーム』『ランダム・ウォーカー』のエッセンスだけ先に知りたい人
二大名著のエッセンスが凝縮されていて、投資未経験の方にも読みやすく書かれています。経験者にとっても、自分の投資の方向性を見直すきっかけになります。私自身、「今のやり方で合っているんだ」と再認識できました。
まとめ:シンプルを、信じて続ける
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
『投資の大原則』が教えてくれたのは、二人の巨匠がたどり着いた、拍子抜けするほどシンプルな結論でした。
貯めて、分散して、低コストで、続ける。それだけを、淡々と。
特別なテクニックや、相場を読む才能に頼りすぎない。地味な原則を信じて続けられるかどうか。投資の結果は、そこに左右される部分が大きいのだと、改めて教えてくれる一冊です。
「では、その『続ける』を、暴落のさなかでもどうやって守ればいいのか?」── 次回は、私が暴落で売らなかった理由を、本音でお話しします。
分厚い投資本に気後れしているなら、まずこの薄い一冊『投資の大原則』を手に取ってみてください。「貯めて、分散して、低コストで、続ける」──たった5つの原則を、今日ひとつでも実践に移せたら、それで十分な一歩です。
明日もまた、歩きながら考えます。
はいと
40代・4人家族のビジネスパーソン。
毎朝、歩きながらお金と人生のことを考えています。
※本記事は書籍の内容を、筆者なりの解釈でまとめたものです。投資は元本割れのリスクを伴います。最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。
情報の出どころ
- バートン・マルキール、チャールズ・エリス『投資の大原則』日本経済新聞出版
- 金融庁|NISA特設ウェブサイト
- iDeCo公式サイト|iDeCo(個人型確定拠出年金)
※書籍販売リンクは、AdSense承認後に検討します。

