副業を始める前に。会社員の私が、最初に確認した3つのこと

朝の空港ラウンジの窓ぎわに、一人がけの椅子とサイドテーブルが置かれ、ノートとコーヒー越しに滑走路と飛行機が見える水彩風景
「副業、ちょっとやってみたい。でも、何から手をつければ?」
「会社にバレたら気まずいし、税金のことも、正直よく分からない…」

稼ぐ力シリーズ、今回から実践編です。でも「何で稼ぐか」の前に、会社員にはまず確認しておきたい“足元”があります。私が副業を始める前に確認した、時間・会社の規則・税金の3つを、等身大でお話しします。

稼ぐ力シリーズの入口では、「なぜサイドFIREに稼ぐ力が要るのか」という全体像をお話ししました。今回から、実践編に入ります。

いざ「副業をやってみよう」となると、つい「何で稼ごう?」から考えたくなります。物販? ライティング? と、手段に目が向く。

でも、会社員が副業を始めるなら、その前に確認しておきたい“足元”が、3つあります。ここを飛ばして走り出すと、あとで気まずい思いをしたり、慌てたりしがちです。順番に見ていきます。


① 時間 ──「ある時間」ではなく「作る時間」

まず、いちばん現実的な話から。副業の時間は、もともと余ってはいません

本業があり、家庭があり、子育てもある。40代の毎日は、ただでさえぎゅうぎゅうです。だから副業の時間は、どこかから“湧いてくる”ものではなく、自分で「作る」ものだと考えたほうがいい。

私の場合は、本業をいちばん大切にしたうえで、朝の時間や、子どもが寝たあとの30分といった、小さなスキマを使っています。まとまった時間は取れなくても、少しずつなら積み上がります。

ただ、きれいごとだけでは進みません。始めたばかりの時期や、締切が重なった時期は、一時的に副業のほうへ寄せないと終わらないこともあります。私も、平日が締切の日は早めに帰宅して書いていました。そういう期間は、実際にありました。

大事なのは、それを常態にしないことです。シリーズの入口でも書いたとおり、暮らしを壊すほど無理をする必要はありません。けれど、時間を自分で確保して試行錯誤を続ける覚悟は要ります。

一時的に寄せるのはいい。ずっと寄せたままにしない。その線引きだけ、先に決めておくといいと思います。

では、どれくらい出せるのか。たとえば「平日に30分、週末に2時間」なら、週で5時間ほど。月にすると20時間です。まとまった塊で考えず、週の合計で見ると、意外と出せる時間が見えてきます。

まず「週に何時間なら、無理なく出せるか」。そこから逆算するのがおすすめです。

② 会社の規則 ──「就業規則」をまず確認する

次に、意外と見落としがちなのが、勤め先のルールです。

副業を始める前に、必ず確認したいのが「就業規則」。会社によって、副業の扱いはまったく違います。

  • 禁止(副業そのものを認めていない)
  • 許可制・届出制(事前に申請や届け出が必要)
  • 自由(特に制限がない)

厚生労働省のモデル就業規則では、勤務時間外の副業・兼業を認める規定例が示されています。一方、実際のルールや必要な手続きは勤め先ごとに異なります。確認せずに始めて、あとでトラブルになるのは、いちばん避けたいところです。

なぜ、会社は副業に条件をつけるのか

そもそも、なぜ会社は条件をつけるのでしょうか。

厚生労働省のモデル就業規則は、原則として副業・兼業を行うことができるとしたうえで、例外的に禁止・制限できる場合として、次の4つを挙げています。

  • 労務提供上の支障がある場合
  • 企業秘密が漏洩する場合
  • 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
  • 競業により、企業の利益を害する場合

並べてみると、会社が意地悪をしているわけではないと分かります。本業に支障が出ないか、秘密が漏れないか、競合にあたらないか。確認したいのは、だいたいこの3点です。

そう思って読むと、就業規則の書きぶりも腑に落ちやすくなります。「禁止されているか」ではなく、「どういう条件なら認められるか」を探すつもりで読むのがおすすめです。

私も、物販を始める前に、就業規則の記載を確認しました。読んでみると、雇用される形の副業ではなく、個人事業主として行う副業なら認められるという内容でした。

この一文を見つけたことが、最初の副業に物販を選んだ理由のひとつになっています。何をやるかを決める前に規則を読んだので、選べる範囲のほうが先に分かった、という順番でした。

もし書いてある内容が分かりにくければ、人事や総務など、勤め先の案内する窓口に確認するのが確実です。

ここは会社ごとに事情が異なるので、「自分の勤め先はどうか」を、必ず自分の目で確かめること。これに尽きます。


③ 税金 ──「年20万円」がひとつの目安

そして、最初は分かりにくい税金の話。でも、入口だけでも知っておくと安心です。

ざっくり言うと、会社員(給与を1か所から受け、年末調整を受けている人。年収2,000万円以下)の場合、副業などの所得が年間20万円を超えると、原則として所得税の確定申告が必要になります。これが、よく聞く「20万円」の目安です。

ここでひとつ、大事な注意点があります。判断のもとになるのは「収入」ではなく、「所得」だということ。

所得 = 収入 − 必要経費

たとえば物販なら、売れた金額(売上)そのものではなく、そこから仕入れ代などの必要経費を差し引いた所得で考えます。ここを勘違いすると、計算が大きくずれてしまいます。

数字にすると、こうなる

たとえば物販で、1年間の売上が50万円だったとします。そこから仕入れ代が40万円かかっていたら、こうなります。

金額
売上(収入)50万円
仕入れなどの必要経費−40万円
所得10万円

売上の50万円だけを見ると「20万円を大きく超えている」と焦りますが、判断するのは所得の10万円のほうです。この場合、所得税の確定申告は原則として不要になります。

逆に言えば、売上が同じ50万円でも、仕入れが20万円なら所得は30万円。こちらは20万円を超えるので、申告が必要になります。同じ売上でも、経費しだいで結論が変わるということです。

ただし、住民税は別の話

ここが、いちばん間違えやすいところです。

所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告は必要になります。

「20万円以下なら何もしなくていい」は、住民税には当てはまりません。多くの市区町村が、給与以外の所得があるなら、金額の多い少ないにかかわらず住民税の申告が必要と案内しています。

理由もはっきりしています。所得税には源泉徴収の仕組みがありますが、住民税にはそれがなく、すべての所得を合算して税額を計算するからです。

さきほどの例(所得10万円)でも、所得税の申告は不要、住民税の申告は必要という形になります。ここを「20万円以下だから何もいらない」と読み違えると、あとから連絡が来て慌てることになります。

案内の書きぶりは自治体によって異なるので、お住まいの市区町村のページを、必ずご自身で確認してください。

なお、確定申告や開業届の具体的な手続きは、このシリーズの制度編で改めて詳しくお話しする予定です。今はまず、「稼ぎ始めたら、税金がついてくる」ということだけ、頭の片隅に置いておけば十分です。


私は、この3つを確認してから動いた

最初の副業として物販を始めるとき、私は動き出す前に、まず就業規則を見て、税金の扱いを調べました。

正直、地味で面倒な作業です。わくわくする「何で稼ぐか」とは違い、調べ始める前は「副業って、始める前からこんなに面倒なのか」と少し気が重くなりました。それでも、この足元の確認をひととおり済ませると、ぼんやりしていた不安が小さくなり、「まず小さく試してみよう」と思えるようになりました。

これは、お金の話の「貯める → 増やす」の順番とも、よく似ています。土台を整えてから、次に進む。急がば回れ、なんですね。


まとめ:派手な準備より、足元から

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

副業というと、つい「何で稼ぐか」という手段に目が行きがちです。でも、会社員がまず確認すべきは、時間・会社の規則・税金という、3つの足元でした。

  • 時間は「作る」もの。無理のない範囲で。
  • 会社の規則は、就業規則で必ず確認。
  • 税金は、一定の給与所得者なら、副業などの所得が年20万円を超えると原則として確定申告(「収入」でなく「所得」で判断)。
  • ただし住民税は別。20万円以下でも、給与以外の所得があるなら申告が必要。

この3つを押さえておけば、あとで慌てる場面を減らし、少し安心して一歩を踏み出せます。

そして、足元が整ったら、いよいよ次は「何で稼ぐか」。次回は、私がいくつかの副業を試すなかでたどり着いた、副業の選び方についてお話しします。

🌱 最後に、ひとつだけ

副業を始める前に、勤務先の就業規則で副業の扱いを確認してみてください。多くは社内サイトで読めます。ここを先に押さえておくと、あとから慌てずに済みます。

明日もまた、歩きながら考えます。


🚶 はいと
40代・4人家族のビジネスパーソン。
毎朝、歩きながらお金と人生のことを考えています。

情報の出どころ

会社の規則と税金の部分は、私自身の解釈を交えていますが、もとになっているのは公的な情報です。正確な条件や最新の内容は、必ず下記の一次情報や、お勤め先・お住まいの市区町村でご確認ください。

※本記事は執筆時点の情報と、私の経験にもとづくものです。就業規則は会社ごとに、税の取り扱いは個人の状況により異なります。副業を始める際や確定申告の要否は、お勤め先の規定・国税庁・お住まいの自治体・税務署などでご確認のうえ、ご自身の判断でお願いします。


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