【家計見直し実践編】生命保険(後編)── 月44,000円から月6,500円へ実行した結果
前編:考え方では、保険を見直す前に整理したロジックをお伝えしました。
- 公的補償でカバーされる部分を確認する
- 必要保障額を、家族構成と生活費から逆算する
- 保険の3要素(保障額・保障期間・保険料)で過不足なく選ぶ
見直しを進めたのは、結婚した時と、子供が生まれたとき。ライフイベントのたびに、家族構成も必要な保障も変わるので、節目ごとに保険の中身を見直してきました。
この考え方に沿って、実際にどう動いたのか。月約44,000円から月約6,500円へ、年45万円の節約につながった経緯をお伝えします。
まず、Before:当時の保険の中身を「全部書き出す」
見直しの最初の一歩は、今入っている保険を全部書き出すことでした。
驚くほど、頭で覚えていません。保険証券を引っ張り出して、ようやく全体像が見えてきました。
| 保険の種類 | 保障内容 | 月額保険料 |
|---|---|---|
| 終身保険(外貨建変額型) | 死亡保障 約 2,500万円 | 約 38,000円 |
| 収入保障保険 | 万が一の時、月10万円給付 | 約 6,000円 |
| 合計 | – | 約 44,000円(年 約 528,000円) |
最も大きかったのが、終身保険。
これは「一生涯の死亡保障+貯蓄機能」を兼ね備えた商品で、毎月約38,000円という大きな生命保険料が続いていました。
加入したのは結婚前後のタイミング。「将来のために、終身でしっかり備えておきましょう」という勧めに、納得して入った記憶があります。
ただ、改めて中身を見直してみると、この保険料の高さに対して、本当に必要な保障なのか、疑問が湧いてきました。
見直しの方針:「必要なだけ・必要な期間」に絞る
前編で整理した考え方に沿って、見直しの方針はシンプルでした。
公的補償でカバーされる部分は外す。
「自分で備えられない、大きな損失」だけを、保険で備える。
我が家にとって本当に必要だった保障は、次の2つ。
- 万が一の時、家族の生活費を支える保障(公的補償でカバーされない分を補う)
- 子どもが社会に出るまでの教育費(約1,000万円相当)
これを、できるだけ安い保険料で、必要な期間だけ確保する。
「終身(一生涯)」は本当に必要か、改めて問い直してみると、子どもが独立すれば、その規模の保障はいらなくなることに気づきました。
ライフステージに合わせて、保障期間を区切る。これが、見直しの軸でした。
選んだ商品①:団体定期生命保険(月約1,000円で1,000万円補償)
最初に行き着いたのが、勤務先で加入できる「団体定期生命保険」でした。
会社の福利厚生として用意されているこの保険、調べてみるとすぐに分かりました。
月額約1,000円で、1,000万円の死亡保障。
ぱっと数字を見たとき、何度も計算し直しました。
「あの終身保険のうち、1,000万円分の死亡保障は、これで置き換えられる?」
それまでの終身保険の死亡保障は、約2,500万円。改めて必要保障額を試算してみると、子どもの教育費の備えとしては1,000万円で十分。
「2,500万円もの死亡保障は、家計実態に対して過剰だった」── そう気づいた瞬間でした。
団体加入のスケールメリットで、保険料が圧倒的に安い。しかも、子どもの教育費の備え(約1,000万円)にぴったり一致する補償額。
会社員という立場を活かせる、シンプルで強力な選択肢でした。
団体定期の良さ
- 月額が圧倒的に安い
- 1年更新で、柔軟に見直せる
- 会社経由で手続きが完結する
「こんなにシンプルでいいのか」と、最初は半信半疑でした。けれど、保障の内容を一つひとつ確認しても、家族のために必要な備えとして、十分。
「終身保険でなくても、これで困らない」── 大きな決断でした。
会社に団体定期がない場合は ── 県民共済・ライフネット生命
団体定期は、勤務先の福利厚生として加入できる場合に限られる選択肢。フリーランスや、団体定期のない会社にお勤めの方も多いはずです。
そんな場合でも、割安な定期保険を選ぶ方法はあります。代表的なのが、県民共済とライフネット生命。
- 県民共済:都道府県ごとに運営される共済。月数千円程度で死亡保障が付き、決算後の割戻金で実質負担はさらに下がります。
- ライフネット生命:ネット完結型の生命保険会社。中間コストが小さく、保険料が業界トップクラスで割安。30代の方なら、10年定期で1,000万円の死亡保障が月1,000円台で組めるケースもあります。
これらを使えば、大手生保の終身保険から大幅に保険料を下げることは十分可能です。
「うちには団体定期がないから、見直しは無理」── そう諦める必要はありません。選択肢を変えるだけで、保険料は大きく変わるのです。
選んだ商品②:FWD収入保障保険(月約5,500円で家族の生活費を補填)
団体定期で「大きな備え」はカバーできた。次に必要だったのが、毎月の生活費の補填でした。
我が家の今後の月の生活費は 約40万円 と試算。万が一の時、遺族年金などの公的補償だけでは、ここまでカバーしきれません。
不足分を継続的に補填する仕組みが、家族の安心を支える鍵になります。
ここで選んだのが、FWD生命の収入保障保険でした。
収入保障保険とは
万が一のとき、毎月一定額が保険期間の終わりまで家族に支払われる保険。
定期保険のように「一括で〇〇万円」ではなく、「毎月〇万円を保障期間まで」というのが特徴。
これが、我が家のニーズにぴたりと合いました。
FWDを選んだ理由
- 保険料が業界最安水準
- 健康体割引で、さらに保険料が下がる
- 保障額・保障期間を細かく設計できる
加入時の保険料は、月約5,500円。万が一のときに、毎月17万円を保障期間の終わりまで家族に給付する設計です。
実は、それまで入っていた収入保障保険の給付は月10万円。改めて家計を見直してみると、月10万円では不足しそう。配偶者の働き方や貯蓄も含めて検討した結果、月17万円に増額して、より実態に合った保障に組み替えました。
保険料は下げる、でも保障内容は家計実態に合わせて充実させる。
これが、見直しの軸でした。
「子どもが独立するまで」という期間で区切り、保障額(毎月17万円)も家計の不足分にぴったり合わせて設計しました。
保険期間が後半になるにつれて、残りの保障総額が自動的に減っていく仕組み。これは、子どもが大きくなれば必要な保障も減るという現実と、見事に噛み合っていました。
結果:月約44,000円 → 月約6,500円。年45万円の節約
新しい保険体系に切り替えた結果。
切り替え前:月 約44,000円(年間 約528,000円)
切り替え後:月 約6,500円(年間 約78,000円)
節約額:月 約37,500円・年 約450,000円
家計から、年約45万円が浮きました。
10年で 450万円。
スマホ料金やインターネット代の比ではない、桁違いの効果。家計のなかでも、保険の見直しが最大級のインパクトを残してくれた瞬間でした。
保険料は下がり、保障は家計実態に合った
しかも興味深いのは、保険料を大きく下げた一方で、保障内容は実態に合わせて再設計したこと。
| 切り替え前 | 切り替え後 | |
|---|---|---|
| 死亡保障(一括) | 約 2,500万円 | 1,000万円 |
| 月額給付(万が一の時) | 月10万円 | 月17万円 |
| 月額保険料 | 約 44,000円 | 約 6,500円 |
- 死亡保障は 必要十分なサイズに最適化(過剰な2,500万円→教育費の備えとして1,000万円へ)
- 月額給付は 家計実態に合わせて増額(月10万円→月17万円)
- 保険料は 大幅減(約44,000円→約6,500円)
「単に保険料を下げる」のではなく、「必要なところは増やし、不要なところは減らす」。これが、見直しの本質でした。
家族にとって、本当に必要な備えは確保されています。「正しく削った」という感覚が、心の安定を生みました。
自分で全部やるのが難しければ、プロに相談するのも選択肢
ここまで読んで、「自分でこんなに整理するのは無理かも」と感じる方も多いかもしれません。
実は私自身、最初は途方に暮れました。終身、定期、収入保障、就業不能、医療、がん ── 用語の海の中で、何度も諦めかけました。
そんな時には、保険見直し相談サービスを活用するのも、ひとつの選択肢です。
無料で相談できる窓口は意外と多くあります。
- 保険のプロが、家族の状況をヒアリングしてくれる
- 複数の保険会社の中から、合った商品を提案してくれる
- 何度相談しても無料のサービスが大半
注意点として、相談員が特定の会社の保険に偏らないかは事前に確認すべきポイント。複数の保険会社を扱う中立的なサービスを選ぶのがおすすめです。
「自分で全部やる」「プロに任せる」── どちらの方法でも、動かないままでいるのが、一番もったいない選択であることは間違いありません。
やってみて気づいた、3つのこと
01「動かないコスト」のインパクトは、保険が圧倒的
月約37,500円の節約は、10年で 約450万円。
スマホやネットの見直しも大きかったけれど、保険ほどのインパクトはなかったのが正直なところ。
「保険は触りにくい」と思っているうちに、毎月数万円が静かに流れていく。動かない時間が長くなるほど、払い続ける金額は積み上がっていく ── 家計改善のなかで、「動かないコスト」の威力を一番痛感したのが、保険でした。
02「不安」は、正しく分解できる
「もしも」の不安は、漠然としていると大きく見える。
でも、家族の生活費、公的補償、自己貯蓄と数字で分解すると、必要な備えは意外と小さい。
不安は、数字に分解されると、ちゃんと扱えるサイズになる。
これが、保険見直しで得た最大の気づきでした。
03浮いたお金は、自動的に積立投資へ
我が家は、見直しで浮いた月約37,500円の多くを、そのまま積立投資に上乗せしました。
当時はつみたてNISA、いまは新NISA ── 制度は変わっても、「浮いたお金は、そのまま投資へ」の流れは続いています。
口座引き落としを設定してしまえば、あとは何もしなくていい。
「節約は、貯めて終わりじゃなく、増やして始まる」
家計管理の全体像で書いた通り、「貯める力」と「増やす力」はセットで初めて意味を持つ。
保険の見直しは、その流れを支える、最大の土台でした。
まとめ:保険は「正しく備えて、正しく削る」
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
保険の見直しは、家計改善の中で最もインパクトの大きい取り組みだと、振り返って実感しています。
- 一度動けば、10年で数百万円単位の差が出る
- 「正しく削る」ことで、家族の安心は損なわれない
- 浮いたお金は、そのまま積立投資に回せる
「保険、なんとなく続けてるな」と感じたら、まずは保険証券を引っ張り出して、今入っている内容を全部書き出すところから始めてみてください。
そこから、「不安が、数字に変わる」瞬間が、きっと訪れます。
明日もまた、歩きながら考えます。
はいと
40代・4人家族のビジネスパーソン。
毎朝、歩きながらお金と人生のことを考えています。

