【家計見直し実践編】医療保険・がん保険 ── 月9,567円から月1,300円へ

朝の光が差し込む窓辺の机に、開いた無地の手帳と鉛筆、ハーブティー、りんご、観葉植物が並ぶ、健康を大切にする清潔感のある水彩風景

この記事は、【40代4人家族の家計見直し】月30万円を投資に回すために、本気で向き合った話実践編シリーズ第4弾です。

生命保険(前編)生命保険(後編)では、生命保険の見直しで 年45万円の節約を実現した話をお伝えしました。

今回は、その続編にあたる医療保険・がん保険の見直しです。

当時の我が家(4人家族・夫婦+子ども2人)は、夫婦合わせて 月9,567円もの医療保険・がん保険料を払っていました。年間にすると、約11.5万円

「いざという時のため」── そう思って続けていたこの保険、本当に必要だったのでしょうか?

生命保険編で使ったロジック ──「公的補償でカバーされる部分は外す。自分で備えられない損失だけを、保険で備える」── を、医療保険・がん保険にも当てはめてみました。

結果、月9,567円から月1,300円へ。年間 約10万円の節約。

なぜそこまで絞れたのか。そして本当に大丈夫だったのか。我が家のリアルな見直しの過程をお伝えします。


まず、Before:当時の医療保険・がん保険を「全部書き出す」

生命保険の時と同じく、見直しの第一歩は 今入っている保険を全部書き出すこと。

夫婦それぞれの保険証券を引っ張り出して、整理してみると、こんな状況でした。

加入者 保険の種類 月額保険料
医療保険 3,027円
がん保険 1,567円
医療保険 2,211円
がん保険 2,762円
合計 9,567円(年 約114,800円)

いずれも終身型(一生涯保障)の保険で、主な保障内容は 入院日額10,000円先進医療3,000万円限度。生命保険ほどの大きな金額ではありませんが、毎月固定で出ていく9,567円は、家計のなかで見過ごせない存在でした。

そして気づきました。生命保険を見直したのなら、医療保険・がん保険も同じ視点で見直すべきだ、と。


同じ「考え方」で見直す

生命保険編で整理した考え方に立ち返ると、保険を見直す出発点はこの一文。

公的補償でカバーされる部分は外す。
「自分で備えられない、大きな損失」だけを、保険で備える。

医療費にも、この物差しを当てはめてみました。

  • 病気や怪我で発生する医療費は、公的補償でどこまでカバーされるのか?
  • 自分の貯蓄では備えきれない金額は、いったいいくらなのか?
  • そのギャップを埋めるために、本当に月9,567円の保険が必要なのか?

問いを立て直したら、答えはずいぶんクリアになっていきました。


公的補償の確認 ── 国民皆保険制度

まずは、自分たちがどんな公的補償を受けられるのか、改めて確認しました。

日本は 国民皆保険制度の国。職業に応じて、必ず何らかの公的医療保険に入っています。

立場 加入する公的医療保険
会社員・公務員 健康保険組合・協会けんぽ
自営業・フリーランス 国民健康保険
75歳以上 後期高齢者医療制度

医療機関の窓口で支払うのは、原則 医療費の3割(現役世代の場合)。残り7割は公的保険でカバーされます。

「100万円の医療費がかかっても、窓口で払うのは30万円」 ── まずこの大きな前提を、改めて意識しました。

ここまでは知っている方も多いはず。でも、本当に効いてくるのはこの先 ── 高額療養費制度でした。


高額療養費制度 ── 1ヶ月ごとに自己負担の「上限」がある

【本記事のシミュレーションの前提】
以下の自己負担額の試算は、年収約370〜770万円(標準報酬月額28万〜50万円相当)・69歳以下の会社員世帯を想定しています。所得区分や年齢によって自己負担上限額は変わるため、ご自身の区分は加入している健康保険組合・協会けんぽのサイトでご確認ください。

3割負担といっても、月に30万円の出費はやはり大きい。

そこで効くのが、高額療養費制度1ヶ月(月初〜月末)の自己負担額が一定の上限を超えると、その超過分は払い戻される仕組みです。

ここで大事なのは、「1ヶ月ごとに上限が設定されている」こと。月をまたぐと、また新たに上限が適用される点には注意が必要です。

年収によって上限額は変わりますが、多くの会社員世帯(年収約370〜770万円)の場合、1ヶ月の自己負担上限はおおよそ 約8〜9万円

具体例で見てみましょう。

1ヶ月で100万円の医療費がかかった場合(年収370〜770万円)
窓口負担:30万円(3割)
↓ 高額療養費制度を申請
実質の自己負担:約9万円

つまり、1ヶ月に100万円の医療費がかかっても、最終的な自己負担は約9万円

多数回該当 ── 長期治療になると、上限はさらに下がる

「では、治療が長引いて何ヶ月も続いたら?」という不安にも、ちゃんと制度が用意されています。

それが 多数回該当直近12ヶ月で3回以上高額療養費の対象になった場合、4回目以降の月の自己負担上限は44,400円に圧縮されます(年収約370〜770万円の場合)。

長期治療になればなるほど、月の負担はむしろ軽くなる仕組み。

これも、知っているのと知らないのでは安心感がまるで違います。

では、1,000万円の医療費がかかったら?

仮にトータルで 1,000万円の医療費がかかったとしても、自己負担は思った以上に抑えられます(年収約370〜770万円の場合)。

  • 1ヶ月に集中して発生した場合:自己負担 約17.7万円(その月の上限に従う)
  • 10ヶ月にわたって長期治療になった場合:1〜3ヶ月目は約8.7万円、4ヶ月目以降は44,400円に圧縮されるため、合計でも約57万円

「医療費は青天井に膨らむ」── そう漠然と思い込んでいたけれど、現実はそこまで暴走しない。これが、最初の大きな気づきでした。


さらに会社員の強い味方 ── 健康保険組合の「付加給付」

ここで、会社員(健康保険組合に加入している方)に、もうひとつ大きな味方が登場します。

それが、付加給付

健康保険組合の多くは、国の高額療養費制度に上乗せした独自の給付を用意しています。具体的には、月の自己負担額をさらに低い水準まで圧縮してくれる仕組みです。

健康保険組合によっては、月の自己負担上限が「2万円〜2.5万円」に抑えられるケースも。

たとえば、医療費100万円の場合 ──

  • 窓口負担:30万円(3割)
  • 高額療養費制度:自己負担 約9万円
  • さらに付加給付:自己負担 約2〜2.5万円

このレベルまで圧縮されてくると、「保険でカバーする必要性」はぐっと小さくなります

ただし、付加給付がついているかどうかは、所属する健康保険組合によって異なります

加入先 付加給付
大企業の健康保険組合 多くの組合で あり(要確認)
協会けんぽ なし
国民健康保険 なし

「自分が入っている健保組合のホームページ」「人事から受け取る健保のしおり」を確認すると、付加給付の有無と内容が記載されています。

私自身、見直しを進める中で「意外と知られていないが、最強の制度だ」と感じたのが、この付加給付。会社員の方は、まず自分の組合の制度を確認してみることをおすすめします。


病気別・入院期間別の自己負担額

主な病気の治療費を、高額療養費制度を活用した場合の自己負担額の目安として整理してみました。

病気 自己負担額の目安
大腸癌 約 33万円
脳腫瘍 約 53万円
肺癌 約 33万円
糖尿病 約 23万円

入院期間別の自己負担額も、あわせて確認。

入院期間 自己負担額の目安
5日未満 約 10万円
5〜30日 約 30万円
61日以上 約 61万円

数字を眺めて、改めて思いました。

数十万円〜数百万円。確かに小さくはない。けれど、「自分で備えられない金額」ではない

ここで、もうひとつ大事な視点が立ち上がりました。


「自分で備えられる」範囲を見極める

我が家には、生活防衛資金として一定の貯蓄があります。

もしも夫婦どちらかが病気になっても、100〜250万円の範囲なら、貯金で支払える

これは大きな前提でした。

保険は「自分で備えられない損失」のためにある。
自分で備えられる範囲なら、保険料を払い続けるより、貯蓄で備えるほうが合理的

月9,567円を 20年払い続ければ、約230万円

まさに今、保険で備えようとしている金額」を、保険料そのもので払い終えている計算になります。

数字を整理した瞬間、答えは見えてきました。


我が家の判断 ── ゼロ解約ではなく「最低限」に絞る

ここで、ひとつ大事にしたかったのが「ゼロにしない」という判断でした。

理論的には、医療保険・がん保険を全部解約しても困らない

でも、頭で分かっていても、「がんの宣告を受ける」「長期入院になる」と想像すると、ふっと不安が湧くのも事実。

「完全に削る」ことが目的ではない。
「正しく削って、必要な分だけ残す」 ── これが、保険見直しのバランス感覚。

そこで我が家が選んだのは、こんな組み合わせでした。

見直しの軸は、「終身」から「定期」へ。一生涯にわたって高い保険料を背負い続けるのではなく、ライフステージに合わせて必要な期間だけ備えるスタイルに切り替えました。これは、生命保険編で得た学びを、医療保険・がん保険にも応用した形です。

残した医療保険(月400円 × 2人 = 800円)

定期型の医療保険で、入院給付・手術給付・先進医療を 最低限のラインだけカバーする商品。

  • 入院給付:日額 3,000円
  • 手術給付10万円
  • 先進医療1,000万円限度

入院日額は10,000円から3,000円へ、思い切って縮小。「入院になっても、貯金で大部分をカバーできる」と整理した上で、「先進医療1,000万円限度」だけは残す判断にしました。

先進医療は、公的保険の対象外になるケースが多く、技術料だけで数百万円かかることも。「自分で備えにくい部分」だからこそ、保険で備える価値がある領域です。

残したがん保険(月250円 × 2人 = 500円)

こちらも定期型のがん保険。がん診断時の一時金 100万円を備える、シンプルな商品。

  • がん診断一時金100万円

がんの治療は、入院だけでなく通院・抗がん剤治療・収入減など、トータルでの負担が読みづらい性質があります。「いざという時、まず100万円が下りる」という安心感は、自分で全部備えるより保険に任せたいと判断しました。

医療保険・がん保険、合わせて 月1,300円(年間 15,600円)。


Before/After ── 月8,267円・年99,204円の節約

数字でまとめると、こんな結果になりました。

切り替え前 切り替え後
医療保険(夫) 3,027円 400円
がん保険(夫) 1,567円 250円
医療保険(妻) 2,211円 400円
がん保険(妻) 2,762円 250円
月額合計 9,567円 1,300円
年額合計 114,804円 15,600円
節約額 △8,267円/月・△99,204円/年

10年で 約100万円の節約。生命保険ほどではないものの、確実に積み上がるインパクトです。

そして大事なのは、保障をゼロにしたわけではないこと。

  • 入院になっても、最低限の保険給付 + 高額療養費制度 + 貯蓄でカバーできる
  • 先進医療やがん診断時の一時金は、保険でしっかり備えてある
  • それでも、保険料は8分の1以下に

必要最小限の備えを残しつつ、保険料は最小化する」── 我が家にとって、納得のいくバランスでした。


自分で判断しきれなければ、プロに相談するのも選択肢

ここまで読んで、「自分の家計に当てはめると、どう判断していいか分からない」と感じる方もいるかもしれません。

実は私自身、最初は迷いっぱなしでした。医療保険・がん保険は、商品の種類も用語も多く、整理するのに時間がかかるジャンル。

そんな時は、保険見直し相談サービスを活用するのも、ひとつの方法です。

  • 無料で何度でも相談できるサービスが多い
  • 家族の状況をヒアリングしたうえで、保障を整理してくれる
  • 複数の保険会社の中から、合った商品を提案してくれる

ただし、特定の保険会社に偏った提案にならないかは事前に確認しておきたいポイント。中立的な相談窓口を選ぶことをおすすめします。

「自分で全部やる」「プロに任せる」── どちらの方法でも、動かないまま毎月数千円を払い続けるのが、いちばんもったいない選択です。


やってみて気づいた、3つのこと

01公的補償は、想像以上に強い

高額療養費制度の存在を改めて知ったとき、率直に驚きました。

100万円の医療費でも、最終負担は約9万円。

「医療費は青天井」と漠然と思い込んでいたところに、しっかりと 上限が設定されている。これを知っているか知らないかで、保険に対する向き合い方が大きく変わると実感しました。

02「貯蓄で備える」は、立派な選択肢

保険料は、毎月支払う 確実なコスト

一方、貯蓄で備える場合は、いざ使う時まで、そのお金は自分の手元にある

「保険料として消えていく」のか、「自分のお金として手元に残る」のか。

同じ金額でも、意味合いはまったく違います。貯められる人なら、貯蓄こそ最強の備えになります。

03「削る勇気」と「残す冷静さ」の両方が大事

正論で言えば、医療保険もがん保険も、全部やめても困らない家計を作ることはできます。

でも、人間の不安は、数字だけで割り切れないもの

最低限の保険を残しておく」という選択は、家計だけでなく 心の安定にもつながりました。

保険は「正解」を求める商品ではなく、「納得」を選ぶ商品。

我が家にとっての納得は、月1,300円という小さな保険料に行き着きました。


まとめ:医療保険・がん保険は「最低限」で十分

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

医療保険・がん保険の見直しは、生命保険編に比べると地味な節約かもしれません。

でも、毎月の固定費としてジワジワ効いてくる存在であることは確か。

  • 公的補償(特に高額療養費制度)の威力を知る
  • 自分で備えられる範囲を、貯蓄で線引きする
  • それでも残しておきたい「先進医療」「がん診断一時金」だけは保険で備える

この3ステップで、月9,567円が 月1,300円に。年間約10万円が家計に戻ってきました。

「医療保険、なんとなく続けてるな」と感じる方は、まずは 今入っている保険を全部書き出すところから始めてみてください。

書き出すだけで、半分は見直しが進んでいる ── そう感じます。

明日もまた、歩きながら考えます。


参考・出典

※本記事の試算は2026年5月時点の制度に基づきます。制度内容は改定される可能性があるため、最新情報は上記公式ページをご確認ください。


はいと はいと
40代・4人家族のビジネスパーソン。
毎朝、歩きながらお金と人生のことを考えています。

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